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漢方民間薬雑学ノート(4) 2005. 12.28

JA千葉厚生連 医師 中村常太郎

漢方における五臓の認識
 
 五臓とは肝・心・脾・肺・腎をいうが、これらは近代医学のそれとは相当に概念を異にする。元々漢方医学が生体の機能単位としての五臓の概念を構築してきたのに対し、日本が江戸時代に近代医学の翻訳移入に際し、各臓器に五臓の名称を便宜的に当てはめてしまった結果が混乱の源である。
 
  漢方における肝は精神活動の安定、新陳代謝の推進、骨格筋のトーヌスの給持を行なう機能単位とされる。肝の動きの失調病態としては、肝の陽気(気のこと)の病的過剰、肝の陽気の不足、肝の陰液(血、水)の不足、がある。
 
  吾々が現在日常的に使う言葉でも、この肝の概念から由来する語句がいくつか存在する。肝(きも)に入る。肝っ玉が太い。肝だめし。等々である。脳卒中を発病した後で、極めて怒りっぽくなったりすることがある。これは肝の陽気の病的な亢進とされ、この過剰をおさえる抑肝散などの方剤が使用される。
 
ウコンについて
 
 英語ではTurmeric(ターメリック)というが、若い料理好きの女性はこのほうがピンと来るかもしれない。カレー粉の原料やたくあんの色づけ用として用いられているものである。少し以前より、肝機能障害(現在の肝臓)、食欲不振等にウコンが良いとされ、服用している方が結構いるようである。原産地はインドで、ショウガの仲間である。ビルマやタイの僧が着ている黄色い僧衣は、ウコンで染めたものである。本来のウコンは秋に花が咲くが、春に花が咲くハルウコン(姜黄)が混合され、時には全く取り違えられているという。ハルウコンは香りが強い代わりに色が薄く、薬効も少し異なるようである。ウコンにはクルクミン、ツルイロン、シネオール等の精油が入っている。これが肝細胞を刺激して胆汁分泌を増大し、排出も促進する。ウコンは食欲を増進させる力が極めて大きいが、適量を越すと胃もたれが強くなる。また多量過ぎると肝臓の脂肪変性を来たすとされており、注意を要する。

JA千葉厚生連 医師 中村常太郎
JA千葉厚生連 医師 中村常太郎
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